論文は誰のもの?

昨日、前の職場の助教のAさん(私が所属していた研究室に私の退職後に入った顔見知りの女性)からメールが来ました。「T君の書いた論文原稿を見ていただきたい」とのこと。でもさ、添付されてきた原稿を見たら、co-authorに私の名前はないんですよ。半年前に就職したT君がファースト、助教のAさんがセカンド、そしてその他教員が4人。つまり元大学院生1人と教員5人。他業種に就職したT君はこの原稿を仕上げるので十分頑張ったはずなので、あとは authorに名前の入っている(=論文が業績となる)教員がなんとかしてあげるべき(だと私は思う)。残念ながら研究室のボスは論文が書けない(!)人なので、若手でセカンドの助教Aさんが責任を持って残りの作業(手直しと投稿)を行うべきだと私は思っています。セカンド取れるんだし。論文はauthorのもの。authorが責任を持って仕上げて世に出すものであって、どう考えても論文に名前の入っていない私が見る必要はないでしょ????
この助教Aさんが大学院時代に在籍していた研究室は、論文を量産する羽振りの良い研究室でした。でも私は研究姿勢があまり好きになれませんでした。初めに結果ありきみたいな実験・ディスカッションが多いし、細切れ論文も多い。それに何より政治的判断で論文のauthorを決めるので、寄与していない人が沢山authorに含まれる。私の出身研究室では直接関与していなければボスの名前すら論文に入れないのが普通だったのですが、「業績=論文数」と判断される昨今、こんなものなんでしょうか。なんと面白味のないことよ(T-T)。そして、そういうバックグラウンドだとしてもauthor外の人間に論文の手直しを頼むのはヘンでしょ。こういう人が大学教員なのはちょっと怖いです。